講座3 過剰な保湿ケアは考え物
スキンケア講座のつづきです。

前回までは、
* 表皮は老化しない
シミ・シワ・タルミは老化現象ではなく「長年受けてきた肌ダメージ」の蓄積
* 代表的な肌ダメージ要因3つの1つ目は、過剰なスキンケア
(こすりすぎ&洗いすぎ&過剰なマッサージ)

という話でしたね。

今回は引き続き過剰なスキンケアの弊害について。
今回は過剰な保湿ケアについてです。

一般に保湿をすることは良い事とされています。
…確かにこれは正しいです。
でも、実は保湿のしすぎはあまり良くないんですよ。

保湿のしすぎの問題に関しては、あまり触れる人がいませんね。
ほとんど聞いた事がありません。化粧品の売れ行きに影響するからでしょうか。



化粧品業界からしたら、保湿をたっぷりしなさい、しないと大変なことが起きるよ・・・・
と脅しておけば保湿化粧品が良く売れるので、やたら保湿しろ、保湿しろと言ってますね。

当店の化粧水キットは最近、少しずつ売れ始めてはいるものの、
そもそも、大した数は売れてませんので、多少売れ行きが落ちても
あまり痛手はありません。 (そもそも痛いんで…)

だから、あえて本当のことを書いちゃいますね。
保湿のしすぎはやめましょう!

保湿をしすぎるとどうなるのでしょうか?

保湿化粧品や加湿器など、人工的な保湿に頼っていると、
肌本来の保湿能力が使われなくなってしまう恐れがある
という事が近年分かってきました。

いままで、皮膚は体外と体内とを隔てる
単なる壁のような存在だと思われてきましたが、

実は、かなり高度な能力を持っていることが分かってきました。
皮膚ってえらいんです。

皮膚には独自のバリア調整能力があるんです。
皮膚細胞は湿度や肌表面のバリアの状態を敏感に察知して、
独自の判断で皮脂の量を増やしたりバリアを増強したり減らしたりしているそうです。

たとえば、実験で界面活性剤溶剤で皮脂を完全に取り去ったり、
セロテープを同じところで貼ったりはがしたりして皮膚のバリア機能を破壊しても、
1日位でなんと以前の80%くらいには修復されます。

表皮は体の防衛線の最前線。
皮膚のバリアが破壊された! という事を察知すると、
皮膚は一生懸命にバリアを修復させるんですね。 
ホント、人体ってうまくできていますね。 感心します。

ところが、不思議な事に、肌バリアを破壊した後に、
その箇所を水を通さないプラスチックの膜で覆うと、
この修復機能が働かないんです!
                    (サンフランシスコ Elias研究所での実験)

つまり、肌はバリア機能が壊されたことに気づかないんです。

人工的な膜が乾燥を防いでくれて、異物の進入を防いでくれるので
バリア修復機能を働かせる必要がない、という判断が働くんですね。

このプラスチック膜が、保湿化粧品だったらどうでしょう?
バリアがもろくなっていても、肌バリア修復機能が働きません。
保湿化粧品が乾燥を防いでくれるからです。

でも、これでいいのでしょうか?

何がいいたいかといいますと、
「肌には潤いが大事、保湿をしなくちゃ!」
ということを良く聞きます。

確かに保湿は大事です。
保湿をすると言う事自体には私は大賛成です。
健康で美しい肌にはやはり保湿は欠かせません。

ただし、何事もやりすぎはいけません。

あまりに完璧な保湿をしすぎると、バリア機能を充実させようとする
肌本来の機能が衰えてしまいます。


「保湿化粧品を常に欠かさずつけるから別にいいもん」
と言う人もいるかもしれませんが、
肌本来の立派な保湿機能があるのに
それを使わないで化粧品に頼るのは変な気がします。

前回書いた事と同じですが、
適度に手を抜くくらいが肌のためにはちょうどいい様です。

 
■保湿化粧品との上手な付き合い方

化粧品はあくまでも補完する役割。 主役はあなた。
 
化粧水→美容液→乳液→クリーム
なんてラインをそろえて買う必要なんかありません。

保湿力のある、高品質の化粧水が一本、
あるいは蒸発を防ぐオイルやクリームがひとビンあれば、
それで十分。


基本的には肌の力を活かすように。
化粧品の保湿力に頼るのはこんなとき。

* 特に乾燥が激しい日、
* 極度に乾燥した場所に行くとき、
* 季節の変わり目や、生活が乱れている時、最近ちょっと疲れてるなという時など、
 (ストレスの多い時にはバリア機能が低下するんです。 この話は後日。)

こういうときには、保湿力の高い化粧水を多めにつけるなど、
化粧品の力を頼ってみましょう。

(手作りの化粧水キットですと化粧水自体の保湿力を
自分で簡単に調整できるから便利ですよ。
フルフリのキットではこちらがお勧め
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また、目の周りや口元の表皮の薄い所などは、
肌本来の修復力にたよりきれないな、と感じ始めるお年頃でしたら、
気になるときに軽いオイル等で保湿するとよいでしょう。

■まとめ

 化粧品に依存しすぎない事! 
化粧品はあくまでも補完する役割。 主役はあなた。
 

以上です。
いかがでしたでしょうか。

前回のように張り切っていっぱい書きすぎると、読むほうも書くほうも大変。

というわけで、

今後はもっと簡潔に、そして定期的に(週1回)
書いていこうと思います。

では!
──────────────────
ご意見・ご質問などどんな些細なことでもいいのでメールかコメント下さいね!
お返事はいつも書いていますよ。       すぎ

参考図書: 「皮膚は考える」岩波書店 伝田光洋さん
by sugitacp | 2006-03-05 00:45 | スキンケア講座 | Comments(13)
Commented by ayaji40ban at 2006-03-06 09:35 x
おすぎさん(これではちょっと別の人になっちゃいますね)、いつもうるさいアヤジです、こんにちは。スキンケア講座ありがとうございました。実はこの冬にとっても変わった体験をしたので、ちょっと聞いてもらおうと思ったのです。

私は日本海側にある実家に、お正月里帰りをしていました。子供たちと雪遊びを存分に楽しんで、そのまま飛行機で東京に帰ってきたのですが、東京について飛行機を降りたとたん、つるつるだった手が見る見るうちにがさがさになっていくんです。こんな経験は初めてだったのでびっくりしました。

私たちは一般的に老化するとなにごとも鈍くなる、と思いがちです。けれど最近の研究では脳も40歳頃からが活発になるとかいいますよね。東京が乾燥しているのはもちろんなのですが、歳を経るごとに色々な経験をして、かえって肌も敏感になっているんじゃないかと思ったんです。肌も学習してるんじゃないか、ってことです。歳を取るごとにアレルギーが増えるのもそういう仕組みなのではと思うのですが、そのような研究がされているようなら、是非ご紹介ください。それではまた。
Commented by sugitacp at 2006-03-06 22:39
おおお! そのガサガサの原因は、湿度差です!
まさに次回、書こうと思ってたことなんです。 
都市の砂漠化とかも関係していて、かなり興味深いトピックです。

肌が学習?! …もしかしたらそういうこともあるかも知れませんね。
皮膚の分野って、内臓や脳とちがい、緊急性がないから以外に
置き去りにされてきた分野なのであたらしい発見とかが結構あります。
つきあって見ると非常に不思議なものです。 皮膚って。 
無口でおとなしいくせに、なかなか言うこと聞かない頑固な臓器です。
Commented by もらん at 2006-03-08 19:43 x
ほんとほんと。皮膚というのは、人の臓器の面積ではNO1ですものね。
でも、体調がわるいといっぱつでわかるし、ストレスなどもでやすい。なにしろ皮膚の具合がわるいと全身に影響が一気にでますもの。(主にメンタル)
Commented by ellie@杉先生ン at 2006-03-10 18:23 x
どうも、はじめまして、ellieと申します。
私も本か何かで、肌を過保護にすると、自己回復能力がなくなると見ました。でも私、中学の時からひどい乾燥肌で、何もしないと本当に大変なことになってしまうんです。だから美容液を使い、クリームを塗り込み、オイルでカバーしています。それでもやっと・・・という感じなのですが、もっと基礎化粧品を減らしても大丈夫なんでしょうか?確かにここ15年ほどストレスがすごかったり、自律神経失調症が治らないと体調万全とは言えないんですが。過保護にしすぎでしょうか?
Commented by ellie at 2006-03-10 18:25 x
杉先生ファンと書きたかったんですが、エンターにふれてしまって、怪しい「杉先生ン」になってしまいました。なんじゃこれ?なので、訂正します。
Commented by sugitacp at 2006-03-10 19:54
ellieさん、こんにちは!
生まれつき保湿力の無い人はやっぱり保湿に頼らざるを得ませんね。
私もそうです。 私は以前、アトピーで今は治ったのですが、今でもやはり敏感性乾燥肌です。 保湿は欠かせません。

あと、自律神経失調症は乾燥肌とものすごく深い関係があります。
症状が改善してから、肌の力試しにチャレンジして見てください。

但し、アイテム数は減らせますよ。

オイルを使われているのなら、美容液かクリームのどちらかは、
使わなくてもいいと思います。
だんだん減らしてみてはいかがでしょう?

(ところで「先生」はやめましょう、照れますんで・・・。)
Commented by ellie9889 at 2006-03-21 16:40
Sugi先生♪ ってオーラがでていましたよ。
だから先生以外呼べません。世の中複雑ですね。
でも私のblogは先生の子供ですから、やっぱり先生です。(笑)
Commented at 2006-04-01 20:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sugitacp at 2007-05-22 16:03
著者様じきじきのお褒めのコメントに2ヶ月も気付かず、大変恐縮です!
情報源がMRや化粧品会社でなくPubMedなど海外ソースですので、皮膚科の町医者とは違った視点で皮膚を考える事ができるのかもしれません。これからもがんばっていきますのでよろしくお願いいたします。
Commented by rum at 2007-06-06 04:58 x
私の親戚で「何もしないのが一番だ!」って全くスキンケアをしなかった50代女性が居るんですが・・・見た目70歳です。シワシワです。不思議なのはシミが無かったことですね。
彼女は「基礎化粧は大事だった」と言ってました。説得力があるお言葉でした(笑)

紫外線対策をしていたかは謎なんですが、やっぱり何もしないのも良くないみたいですね。どの程度まで手を抜くべきなのか・・・
こちらに商品試すのが楽しみです
Commented by sugitacp at 2007-06-06 21:34
何もしない!はやっぱり極端すぎですよね(笑)!自分で皮脂や汗をちゃんと出せたり新陳代謝ができる人だったら良いんですが、そうでない人は最低限の保湿はやっぱりしなきゃだめですよね。
で、おはだの様子を見ながら徐々に人工的な保湿を減らしていければ良いんじゃないでしょうか。
Commented by at 2011-10-03 15:57 x
杉店長様
初めまして、こんにちは!

こちらの、ぶっちゃけたスキンケア講座、とても勉強になりました。
ところで、
ネロリ&生薬 保湿化粧水のリンクへ飛んだんですが、消してらっしゃいます?
Commented by sugitacp at 2011-10-03 18:56
こんにちは!こんな古い記事まで読んでいただき恐縮です。
リンクの件、教えて頂きありがとうございます!
リンク切れてましたので、とりあえずお試しキットのページに変えてみました。
又何かお気づきのことがございましたらお願い致します^^
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